№ | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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735 | 2024年2月16日~ | お内仏 | 第7組 念瑞寺 藤原克総 |
私は現在、縁あってお寺に入り、住職をさせていただいています。しかしながら、在家出身であった私は、ある時まで、仏教にはまったく興味を持たずに生活してきました。 そのある時というのは、私が高校二年生の夏でした。母が亡くなり、母の葬儀が仏教に触れる初めての機会になりました。通夜、葬儀を無事に執り行い、忌明けの法要に間に合うように父が仏壇を購入しました。仏壇のお給仕などは分かりませんでしたが、分からないなりに手を合わせることを続けるうちに、私の中で「ただの仏壇」だったものが「家の仏壇」に、そして「家の仏壇」が「お内仏」へと変わっていくのを感じました。それは自分の本当に大切な人が亡くなるといった大きな出来事を縁として、本尊と向き合うことでしか分からない自分がいる事に気づかされ、それまでの仏壇があってもなくても何も変わらない生活から、無くてはならない存在になったからです。 人によっては「お仏壇に手を合わせているのは、自分の父や母、ご先祖様がいるからだ」と言われる方がありますが、亡くなった方の供養や成仏を願うために手を合わせるのではありません。亡き方々は、私たちが心配せずとも亡くなってすぐ極楽浄土に ではなぜお内仏に手を合わせ、お念仏を申すのでしょうか?元気になりますように、病気になりませんようにと自分の都合を願うためでしょうか?そうではありません。お内仏の中心におられるのは阿弥陀仏です。阿弥陀仏は常に私に対して阿弥陀の名前を呼んでくださいとなげかけられ、阿弥陀仏を忘れている私が阿弥陀仏を思い出すまで待っておられます。 つまり、阿弥陀仏をすぐ忘れて自分勝手に生きてしまう私に対して、ずっと見捨てずに見守り、呼びかけ、救ってくださるのが阿弥陀仏ということです。そして、阿弥陀仏を思い出す為に、お内仏に手を合わせお念仏申すのです。 どうしても亡くなった方に、私だったら特に母に、会いたくなったら電話をしましょう。それはお浄土におられる方々につながる電話番号が、南無阿弥陀仏です。お念仏申せば、あちら側からも必ず聞こえてくると思います。そのお声は、南無阿弥陀仏と・・・。 |
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