№ | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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738 | 2024年4月1日~ | 声を聞くこと | 第11組 善行寺 服部浩成 |
近年のコロナウイルスの流行うをはじめ、能登半島地震など、最近は命のことであったり、人とのつながりということを考えさせられる出来事が多いように感じます。私自身、能登半島地震で初めて大きな揺れを経験して、揺れの怖さといつ何時起こるかわからない怖さというものを感じました。 発生後しばらくして、被災地へ救援物資を送るということがありましたが、そこで思い出したことがあります。それは何かというと、私は今大垣教区の教化委員の中の青少幼年部というところに所属しているのですが、ちょうど一年ほど前に、現地学習会として被災地である東北に訪問する機会がありました。その時に、現地の方と交流する場があり、「どのような救援物資がありがたかったのか」という質問をしました。すると、「はじめの頃は食料や水などが不足しているのでそういうものがありがたかったが、それが十分になってくると次には手を合わせる場所がないので、そのような場が欲しくなる。だからそういう場のための、三つ折りの本尊を送って下さったときはありがたかった。」ということをおっしゃっていました。それをお聞きして、私たち人というのは、自分の力ではどうしようもないことに直面したとき、手を合わさずにはいられないものなのだと感じました。 私にはそういった体験がまだないことや、手を合わせる場所があるにも関わらず、手を合わせずにはいられないという体験がないことに、何か恥ずかしいような気持ちになりました。自分が僧侶なので日常的に手を合わせるが、実は普段の生活の中では自分の思いの中でしか生きておらず、日常的に手を合わせられるありがたさ、尊さにまったく気づけていなかったからです。また、失くさないと気がつくことができない私たちの愚かさというのを感じました。 だからこそ、そのような経験がある人の声を聞いていくこと。いのちの真実と向き合い続けた親鸞聖人をはじめとする、私たちの先輩方の言葉というのを聞き続けていかなければならないと感じました。 |
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