№ | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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741 | 2024年5月16日~ | 当たり前とは何か | 第10組 慶圓寺 冨永和哉 |
今年の元日は「いつも通りの」「当たり前の」正月が、令和6年能登半島震災によって打ち破られました。災害というものは発生するタイミングを、人間の都合に合わせてはくれません。「まさか年明け初日に・・・」と感じた方も多いのではないでしょうか。金沢市にある知人のお寺では物が散乱したり、壁が また、ニュースでは金沢市に住む男性が奥様やお子様など、ご家族10名を一度に亡くされたという記事も目に飛び込んできました。その男性は取材に対して、「なんで私がこんなことにならなきゃいけないんかなって。生と死の境界線って何なんですかね。それはこの地震が悪いんですかね。地震がみんなを奪ったんですかね。」と答えておられました。その悲痛な思いは 私たちは日々、今置かれている環境が、当たり前であるかのように生きています。周りの家族や友人・知人、不自由なく食べている食事、雨風や寒さをしのげる家や服、それらを買うお金やそのお金をいただいている仕事など、それらを一瞬で全て失う日が来るかもしれません。そんな状況に置かれてもなお、それを背負って生きていく人がいます。私はその方のように生きていけるだろうかと思うと、決して自信を持って「はい」とは言えません。 少し前に「南無阿弥陀仏」ということについて、住職から、「あえてわかりやすく言い換えるならば、『ありがとう』が近いかもしれない。」と言われ、ハッとしました。『ありがとう』の反対は何かと問われ、すぐには答えられずにいた私に「それは『当たり前』という言葉ではないか。」と言われました。『ありがとう』は『 震災という大きな出来事から、日常は当たり前ではない。それは他でもなく、「私の日常」が当たり前ではなかったと気づかされました。そして、大変有り難いことに如来から大切な命を預かり、生かされているのだと感じると同時に、命尽きるその時が訪れるまで、身の回りの御縁のある人たちに感謝し、手を取り合い助け合いながら、お念仏を |
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