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真宗大谷派大垣別院開闡寺は真宗大谷派(東本願寺)を本山とする別院です。

TEL. 0584-78-3362

〒503-0897 岐阜県大垣市伝馬町11番地

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 テレホン法話 2024年  

 № 放送日 タイトル 法 話
748 2024年9月1日~ すでに願われていた一人 第5組 速入寺 平塚維人
 自分の思い通りの人生設計を描き、努力で順風(じゅんぷう)満帆(まんぱん)に人生を謳歌(おうか)できる時もあります。しかし自分や周囲の人生を振り返ってみますと、多くは思い通りにならないことが多いのではないでしょうか。
 自分の生活が自分の思い描いた通りになっている時には平常心でいられますし、感謝の意をあらわす事もできましょうが、思い描いていることが少しでも乱れたり不具合が生じたりしますと他者へ責任転嫁をしたり、“なぜ私だけがこのような目に”と落胆し嘆き悲しみます。更には苦しみとなり怒りに変わることもあります。
 このように思いのままにならない苦悩の中に生きる者を、「五濁悪世(ごじょくあくせ)有情(うじょう)」と親鸞聖人は示されています。五濁とは『仏説阿弥陀経』に表される劫濁(こうじょく)見濁(けんじょく)煩悩濁(ぼんのうじょく)衆生濁(しゅじょうじょく)命濁(みょうじょく)という5つの(にご)りのことです。
 『劫濁』は時代の乱れ。『見濁』は思想や主義主張の乱れ。『煩悩濁』は欲望のままに(むさぼ)り満足を得ることが出来ない心の濁り。『衆生濁』は、濁りに呑み込まれ振り回されている人々。『命濁』は、もっとも大切な命の尊ささえも忘れてしまっている事です。
 まさに現代社会そのものといえるのではないでしょうか?そのような時に、自分を(かえり)みることができれば良いのでしょうが、原因究明を自分の内にみようとすることがなかなかできません。自分の思いを基準に、苦しみの原因を自分の外に見出そうとして、自分にとってプラスなものとマイナスなものとを分別してしまいます。そしてプラスな事はより多く求め、マイナスのものに対しては見境をつけ見下し時には排除する行為を行います。このことが大きくなっていくと争い事に繋がっていくことにもなるのではないでしょうか。この様に、自分の思いに執着(しゅうちゃく)し、“思い通りに”という事を求め続けてしまう私たちですが実は、様々な数えつくせないご縁がすでに整っているところに生まれ、まさに今を生きている。 
 この世に生まれ出てくる前から、無量寿仏(むりょうじゅぶつ)の名に示されておりますとおり、(はか)りようのない、量られることのない、量りを超えた命を生きているのであり、その尊さに目覚めよと、すでに願われていたのです。
 私の思いを超えて生まれてきたという一人(いちにん)の尊さに目覚める時、自分の身に起きてくる、良い事も悪い事も含めた全ての事柄を、自分のこととして大切に引き受けていく人生に転換されて、(まなこ)の開けた新たな広い見解の出来る人生が歩み出せるのではないでしょうか。


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真宗大谷派大垣別院開闡寺

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