№ | 放送日 | タイトル | 法 話 |
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762 | 2025年4月1日~ | 報恩講の意義 | 第3組 正光寺 田中元樹 |
浄土真宗で一番大切なお勤めとされる報恩講ですが、そもそも何のために勤められる法要なのでしょうか。 報恩講は末寺はもちろん、京都の真宗本廟でも毎年11月21日から28日にかけて勤められます。報恩講を語る上で欠かせないのが、この11月28日という日についてです。 11月28日は、宗祖親鸞聖人の御命日にあたります。つまり報恩講とは、聖人の祥月命日のお勤めであり、また聖人が亡くなられた日をご縁に仏の教えに私が出遇う機会をいただくということです。親鸞聖人のお孫さんである覚如上人が書かれた、『報恩講私記』というものがあります。その私記によれば、報恩講という名称は本来本山で勤められる御正忌報恩講のことのみを指し、それ以外の別院や末寺、各門徒さんの家で勤められる法要は「お引き上げ」や「お取り越し」と呼びます。ちなみに、報恩講の日付を各寺院で本山からずらして勤めるのは、御正忌報恩講の期間内に門徒さんが本山にお参りできるようにという願いがあるからです。 更に、報恩講の由来を辿ると、親鸞聖人は自身のお師匠さんである法然上人のことを非常に大切にされており、その法然上人の御命日に合わせてお勤めや法話されていたことから報恩講が始まったという一説もあります。 そして、報恩講の一番大切な意義は「報恩」です。「報恩」とは、恩に報いる。恩が報いらせると読みます。「恩」とは、親の恩や師の恩など様々なご恩があります。その中で報恩講の「恩」とは、私たちを必ず救うと誓い、願ってくださる仏様へのご恩。そして、先達の命と教えのバトンリレーにより、私が念仏の教えに出遇い、生きる依り処を教えていただいたご恩のことです。 しかし、普段の生活の忙しさの中で、このご恩を忘れている私です。だからこそ、報恩講のお勤めを縁として、このご恩に気づかされ、仏様に願われている私であったということを再確認して、お念仏申すことが、「報いる」ということです。つまり、先達の後に続いて、仏様からの本当の願いを共に聞き、お念仏を申しましょうというのが報恩講というお勤めなのです。 今年も各地のお寺で、報恩講が盛大に勤められるでしょう。皆さんもお参りになり、仏様の教えに出遇ってみてはいかがでしょうか。 |
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